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変わりつつある沖縄・・・

(※ この記事は2023年5月21日に更新しました。)

今朝の新聞を読んでいてたいへん驚いたことがある。
ある若い女性が

負担や制限話す機会に

10代、20代の頃は、晴明祭やお盆のようなジェンダー・バイアスが色濃く残る先祖供養のイベントが苦手だった。・・・30代に入り祖父や母という身近な存在の家族が他界すると、大切な家族を思い、その存在を身近に感じられ、仏壇行事の大切さを実感できるようになった。・・・沖縄の仏壇行事のしきたりや継承には、性別に基づく役割分担が依然根強く残る。・・・しかし、このような負担や制限について家族と話し合う機会を捉えるのは難しいと感じる。・・・親戚が集い、先祖を思う大切な場で負担や制限を口にすることはある種の「タブー」だと感じてきた。・・・今年はユンヂチ。ユンヂチが仏壇行事のタブーがある程度許容される時期なのであれば、これまでお墓や仏壇の継承や行事に関して、負担や制限を抱えていた人にとっても、今後これらをどう進めていくか、話し合いを始めるにも良い機会と捉えてもいいのではないだろうか。・・・

等と沖縄の伝統的な仏壇の継承や行事のこれからのあり方について、一石を投じていたからである。

1 そもそも「ユンヂチ」とは

そもそも私の中では、内地の人間で「ユンヂチ」の意味がわかる人間がどれだけいるだろうかというところから始まるわけだが、慌てて調べたところによると、「ユンヂチ」とは旧暦における閏月のことで、ユンヂチの期間は、神様の目が届かないため、しきたりや風習に捉われることなく自由に行動できるため、この時期にお墓を建てたり、仏壇を購入したりするのにいい時期だと言われています。

沖縄の人々は先祖をとても大切にしているため、先祖から受け継いだ伝統やしきたりをきちんと守っています。
つまり、沖縄では、お墓を建てたり、仏壇を購入したりする場合、さまざまな手間や準備が必要だということです。

そのため、沖縄の人々は、年中行事ではない、お墓を建てたり仏壇を購入したりする時期は、しきたりに捉われることなく、自由な日程で進められる「ユンヂチ」の期間を選ぶことが多いということです。

さすが、幼い頃から旧暦の中で先祖を大事にしながら育ってきた沖縄の方々は違うな〜と感心させられるばかりです。

2 心の中では・・・

内地から沖縄を見ていて常々感じることは、お墓の様式を見てもわかるように、
     先祖を心から大事にする
ということです。

この点、内地ではお盆やお正月でさえ、親戚一同が実家に集まることも少なくなり、お寺ごとや仏壇行事も20代、30代は知らん顔です。自分の仏教宗派さえ知らない方が増えています。

ですので、私としては、沖縄の方々は老若男女を問わず、全ての方々が何の疑問も持たずに沖縄の古き良き風習を受け入れているものとばかり思っていたんです。

もちろん、100%受け入れていない方も中にはおられるでしょうが、なんとまあ新聞の社説でこのような問題提起をされる方(しかも女性で)がおられるとは思ってもいませんでしたので、たいへん驚いた次第です。

とは言うものの、問題提起をされたこの女性も、決して沖縄の仏壇継承や行事を否定されているわけではなく、とても大事なことだととらえた上で、少子化が進む現代において、家族の在り方、ライフスタイル、価値観も多様化する中で、沖縄の家族が話し合いによって負担や制限の解決策を見出していく必要があるのではと仰っておられるのです。

つまり、これまで当たり前のように長男が責任を負い、女性が裏方として支えてきたが、時代が変化している現代においては、この在り方についても家族の対話によって変容すべきなのではという、これまで感じてこられた心の中の言葉を代表して文章にされたのだなと感じました。

3 時代は変わりつつある

行政書士をやっていて、遺産分割協議をお手伝いさせていただくことが度々ある。

その中でよく聞くお言葉は、「亡くなった父は、生前、全ての財産を長男のお前に任せると言っていた。」ということです。
内地でも田舎の地方に行けば、世間の風習として長男が全ての財産を継承するのが当たり前な所が今でもほとんどです。

でも、兄弟姉妹の間では、この伝統的風習は変わりつつあります。
なぜなら、法律上はそうなっておらず、法定相続人として受け継ぐべき割合が決められているからです。

「親父がどう言ってたか知らないけれど、自分には法定相続人として○分の○の権利があるから。」
と亡き父親や母親の意思や伝統的な風習とは関係なく主張してきます。

「ええっ、親父はそうは言ってなかったぞ!」
と言ってみたところで、「じゃ、そう書いてある遺言書がどこかにあるの?」と返される始末です。

これが今の時代です。

古き良き伝統よりも、権利主張が重要になってきているということです。

このお話と沖縄の仏壇継承や行事のことが全く同じ問題だとは言いませんが、少なからずしきたりや役割分担に関する負担や制限において、一部の家族が違和感を抱いていることは間違いなく、「これが当たり前だから!」と頭ごなしに押し通していける時代ではなくなってきているということを、我々シニア世代は考えるべき時に来ているということです。

4 当たり前が当たり前ではない

私が言いたいことは、決して古き良き伝統を変えろ!と言っているわけではありません。

我々シニア世代では当たり前であったことが、現代では当たり前ではなく、少なからず違和感を感じている若い世代がいるということです。

また、違和感を感じるまではいかなくても、時代に合わせて変容してくれればいいのにと心の中で願っている若い世代もいるということです。

この結果、どのようなことが起こるのか?

そう、父親、母親が生きている間は何も言えず、問題は起こりませんが、父親や母親が亡くなった途端、権利は対等と感じている兄弟姉妹間で争続(相続)が生じるのです。

このような争いの火種を遺族に残さないためにも、トートーメー(尊御前)や仏壇と一緒に財産をある者に継承させたいのなら、すなわち、
     民法の相続分と異なる形で財産承継させたい
のならば、きっちりと「遺言」を書いておきましょう!

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