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自筆証書遺言の改正|押印不要・スマホOK ← 採用

2026年の民法改正で自筆証書遺言はどう変わる?押印要件の廃止やスマホで作れる「保管証書遺言」の新設、施行時期、これまでの改正点を行政書士がわかりやすく解説。改正前の今、遺言を書くときの注意点もまとめました。

自筆証書遺言とは?これまでの改正をおさらい

自筆証書遺言とは、遺言者が自分の手で書いて作る遺言書のことです。費用がかからず、思い立ったときにひとりで作れる手軽さが魅力です。

ただし民法では「全文・日付・氏名を自分で書き、印を押す」ことが求められ、ひとつでも欠けると無効になるという厳しいルールがあります。

この自筆証書遺言は、約40年ぶりの相続法改正(2018年成立)で大きく見直されました。

改正① 財産目録はパソコン作成OKに(2019年1月13日〜)

以前は、不動産や預貯金の一覧である「財産目録」もすべて手書きが必要でした。現在は、財産目録に限りパソコンで作成したり、登記事項証明書や通帳のコピーを添付したりできます。

ただし、目録の各ページ(両面なら両面とも)に署名・押印が必要です。

改正② 法務局で預かってもらえる(2020年7月10日〜)

「自筆証書遺言書保管制度」が始まり、遺言書を法務局に預けられるようになりました。主なメリットは次の3つです。

  • 紛失・改ざん・隠匿のおそれがない
  • 家庭裁判所の「検認」が不要
  • 手数料は1通3,900円と低コスト

さらに、遺言者が亡くなった後、あらかじめ指定した人に「遺言書が保管されている」と通知してもらうこともできます。

一方で、法務局は遺言の内容が有効かどうかまでは審査しません。せっかく預けても、書き方の不備で相続人が困るケースは今もあります。

そして2026年6月、自筆証書遺言はさらに大きく変わることになりました。次の章で詳しく見ていきましょう。

2026年の民法改正で何が変わる?

2026年6月17日、「民法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第45号)が成立し、6月24日に公布されました。遺言に関する主な改正点は次の3つです。

ポイント① 押印が不要に

自筆証書遺言などで必要だった押印が要件から外れ、任意になります。「ハンコを押し忘れて無効」という事態がなくなるわけです。

ただし、全文・日付・氏名を自分で書くルールはそのままです。施行は公布から1年以内(2027年6月まで)に政令で定める日で、施行日以後に作成する遺言から適用されます。

ポイント② 新方式「保管証書遺言」の創設

いわゆる「デジタル遺言」です。作成の流れは次のとおりです。

  1. パソコンやスマートフォンで遺言の全文を作成
  2. 署名(またはこれに代わる措置)をする
  3. 法務局に保管を申請する
  4. 遺言書保管官の前で全文を口述する(対面またはウェブ会議)

手書きの負担がなくなる代わりに法務局での保管が必須となり、本人確認と口述によって、なりすましや偽造を防ぐ仕組みです。施行は公布から3年以内(2029年6月まで)の予定です。

ポイント③ 緊急時の特別方式も見直し

危篤時などに使う特別方式の遺言では、証人への口授を録音・録画で記録する方法が加わります。

改正前後の比較
項目現行改正後
全文の自書必要必要(保管証書遺言は不要)
押印必要不要
作成手段手書きのみ手書き+PC・スマホ(保管証書遺言)
法務局保管任意任意(保管証書遺言は必須)

ここまで読むと「改正を待ってから書こう」と思うかもしれません。しかし、そこには注意が必要です。

改正を待つべき?今書くときの注意点

結論から言うと、改正を待たずに「今」書くことをおすすめします。

今書くべき3つの理由

理由① 施行日までは現行ルール
記事執筆時点では、押印廃止もデジタル遺言もまだ施行されていません。今作る自筆証書遺言には押印が必要です。

理由② 遺言は何度でも書き直せる
後から新しい遺言を作れば、内容を変更・撤回できます。改正後にデジタル遺言へ切り替えることも可能です。

理由③ 「いつか」は突然やってくる
病気や認知症で判断能力が衰えると、遺言そのものが書けなくなります。

今書くときのチェックポイント
  • 全文・日付・氏名を自書し、押印する(実印が安心)
  • 日付は「令和8年11月吉日」ではなく、日にちまで特定する
  • 不動産は登記事項証明書のとおりに記載し、財産を特定する
  • 訂正は民法の方式が厳格なので、迷ったら書き直す
  • 法務局の保管制度を使い、検認の手間をなくす
  • 遺留分や遺言執行者の指定にも配慮する
専門家に相談するメリット

自筆証書遺言は手軽な反面、「形式は整っていても、内容があいまいで手続きに使えない」という失敗が少なくありません。法改正の施行時期や、自筆・公正証書・デジタル遺言のどれが合うかも、家族構成や財産によって変わります。

那覇市のまかせる行政書士事務所では、遺言書の文案作成から法務局保管のサポートまでお手伝いしています。まずは「相続診断」で、ご家族に合った遺言の形を一緒に考えてみませんか。

まとめ:改正を待たず、今の遺言を正しく残そう

自筆証書遺言は、2019年に財産目録のパソコン作成が認められ、2020年には法務局で保管できる制度が始まるなど、少しずつ使いやすくなってきました。

さらに2026年6月の民法改正で、押印要件の廃止(2027年6月までに施行)と、パソコンやスマホで作れる「保管証書遺言」の創設(2029年6月までに施行)が決まりました。

ただし、どちらもまだ施行前です。今作る遺言には、これまでどおり全文・日付・氏名の自書と押印が必要です。遺言は後から何度でも書き直せるので、改正を待つより「今」作っておくことが家族を守る一番の近道です。

書き方に不安がある方、自分に合う遺言の方式を知りたい方は、ぜひ専門家にご相談ください。

相続手続き、遺言書の作成・遺言の執行、 相続人・相続財産の調査 、遺産分割協議書の作成 、預貯金・株式・保険等の相続手続き、死後事務サポート(行政機関手続き等)、認知症対策(後見・家族信託等)、終活サポート(エンディングノート等)は、まかせる行政書士事務所 にご相談ください。
対応エリア:沖縄県全域(那覇市、豊見城市、浦添市、糸満市、宜野湾市、南風原町、八重瀬町、南城市、与那原町、西原町、中城村、北中城村、北谷町、沖縄市、嘉手納町、うるま市、読谷村、恩納村など)

著者 行政書士 松岡 巧
沖縄那覇相続・遺言相談窓口
沖縄県那覇市

当事務所は、沖縄の家族が笑顔で未来へ歩めるよう、「争族」をなくす相続・遺言支援を行っている事務所です。刑事として人の心に寄り添い続けた経験を活かし、安心と信頼を大切に、一人ひとりの想いを丁寧に受け止めます。
遺言書作成や相続手続きはもちろん、家族の絆を守るための話し合いにも温かく伴走。高齢者の方にも分かりやすく説明し、誰もが納得できる形で大切な財産と想いを未来へつなぐ、心を込めたサポートをお届けします。

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